皆さんこんにちは。千葉県市原市を拠点に、全国でリバースエンジニアリングやプラントの配管工事一式を手がけている藤田工業です。
工場の設備が老朽化すると、業務にさまざまな影響をきたすようになります。ただ、設備の老朽化を完全に防ぐことはできないため、老朽化に向けた対策を前もって考えておく必要があります。
今回は、築年数が経過した工場で老朽化対策をどのように取っておくべきなのか、ポイントを詳しく解説します。
■老朽化した設備を使い続けるとどうなる?
工場の設備が老朽化したままで、対策をとらずに使い続けると、次のようなリスクが発生します。
・生産性の低下
設備の老朽化によって設備がスムーズに稼動しなくなり、故障の頻度が高まって不良品の発生や部品交換の回数も増えてきます。これらの対応で時間を取られるため、本来製造に充てる時間をロスしてしまうのです。
上記の作業に余分な人手がかかるうえ、修理や検品にかかる人件費も必要となるため、結果として生産性が低下してしまいます。
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・故障による損失
メーカー側で設備の部品を保存する期間は、10年と定めているのが一般的です。10年を経過すると、メーカー経由で部品の調達が難しくなり、設備が故障しても部品交換ができない場合があります。
生産性を確保するには、老朽化した設備の部品の調達方法についても考慮しておくことが大切です。
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・労災のリスク
老朽化した設備に適切な対策を取らず使い続けると、はさまれ・巻き込み・火災などの労災が発生するリスクが高まります。
労災が発生すると、従業員が大けがなどを追うリスクがあるだけでなく、会社に対しても処罰が科される可能性があります。安全配慮義務違反による損害賠償や、作業停止などの行政処分、社会的な信用低下など、今後の企業経営にも大きく影響するおそれがあるのです。
労災の発生を防ぎ、安全な現場で作業を続けるには、普段から設備管理を心がけることが重要です。
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■早期に老朽化を見つけるには
工場設備の老朽化を早い時点で見つけるには、以下の2つの対策が必要です。
・定期点検
工場設備を安全な状態で稼働させるために、「設備保全」と呼ばれる維持管理方法があり、事後保全・予防保全・生産保全の3つがあります。
事後保全は、故障した時点で直す方法であり、故障の発生を予測できない設備に対して行われます。予防保全は、予測して交換する方法であり、故障しやすい箇所が分かっている場合に行われます。生産保全は、設備そのものを改善する方法であり、修理しやすいよう改良改善を施します。
この中で、定期点検と同様の役割を果たすのが予防保全です。部品の定期的な交換により、故障を予防するために管理します。
・点検時などのデータを残して、見える化
定期点検を実施した後、点検結果や故障箇所などをデータ化し、「設備保全の見える化」を実施します。全ての工場管理者が、点検結果を見えるようにすることで、部品の交換箇所や交換時期などが明示できるようになります。同じ場所で頻繁に故障していると、設備の老朽化が進んでいる可能性があるのです。点検をきちんと実施していても、データが残っていなければ、点検した事実が確認できません。必ずデータを残すようにしましょう。
老朽化をチェックするときは、腐食・摩耗による損傷・荷重による部品の疲労などを中心にチェックしましょう。腐食が起きやすい箇所は、ネジ・シール・パッキンなどです。メーカー側が公表している交換サイクルよりも交換回数が多くなっていれば、老朽化している可能性が高いと言えます。設備内に、チェーンやベルトなどを使った箇所があれば、摩耗していないかしっかりチェックしましょう。また、荷重を繰り返し受けている部品は、がたつきなどが発生しやすくなっているため、老朽化の有無を確認することが必要です。
■老朽化した設備があったらどうする?
老朽化した設備を見つけたときには、2つの方法から選択して対処すると、設備の寿命を延ばすことができます。
・新しい設備に交換(リプレイス)
リプレイスとは、既存設備をそのまま使うのではなく、問題が生じた設備を新しいものに入れ替える(交換する)対処法です。リプレイスすることで最新の設備を導入するため部品が調達しやすくなり、設備の寿命を伸ばせるようになります。
設備が故障する確率を低減できるうえ、最新の設備ならではの機械性能を生かし、生産効率を高められます。設備によっては、省スペース化や省エネ化・低振動・低騒音が実現できる場合もあります。欠陥品の発生リスクが下がり、安全性や生産性の向上も期待できるため、設備の状態次第でリプレイスを検討するのもひとつの方法です。
・設備の修理や部品を変える(オーバーホール)
オーバーホールとは、先述した予防保全のひとつに該当します。設備の性能を戻すために、分解したのち修理および劣化部品の交換などを行う作業です。
オーバーホールの実施により、設備故障のリスクを軽減し、設備停止を最小限に抑えられることから、効率的な生産を維持できます。手順としては、設備を分解し洗浄したのち、修理・交換を行います。その後、注油・組み立て・調整の順で、新品同様の性能に戻すことが可能です。
オーバーホールは、新しい設備を導入するのに比べ、費用を抑えられるほか、一点ものの機械や生産が終了されている機械であっても性能を取り戻すことができます。オーバーホールを行う設備は、部品の調達が難しかったり、部品生産が終了していたりするケースも多いです。このため、オーバーホールのために予備の部品を確保したい場合は、リバースエンジニアリングがおすすめです。
■リバースエンジニアリングで効率的な稼働を取り戻そう!
リバースエンジニアリングとは、既製品を分解・分析してCADデータなどを作成し、構成や部品、動作などを調査する手法です。製品を開発・製造するには、最初に設計図などを作成してから工程を進めますが、リバースエンジニアリングは反対の工程で実施します。既存の部品をそのまま複製するだけでなく、一部のみ設定を変えて複製し比較することも可能です。部品の原理や製造方法を追求でき、他社製品の分析などもできるようになります。
工場の生産性低下の一因として、設備の部品摩耗や老朽化があげられます。年数が経過し、部品の生産が終了している設備や、設備の図面が残っていない場合でも、リバースエンジニアリングにより既製品から部品の複製や図面作成を施すことができます。
新規設備の導入はコストがかかるものの、既製品の不具合や老朽化が気になるという企業担当者の方もいらっしゃるでしょう。古い設備の修理・交換も、リバースエンジニアリングにより部品が製造できると、対応できるようになるのです。
不具合や老朽化の修理手段として、リバースエンジニアリングをぜひご検討ください。
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■まとめ
この記事で紹介してきたように、工場設備の老朽化は避けることができません。老朽化対策で重要なポイントは、定期点検のデータを残しつつ、設備保全の見える化実施により点検修理のタイミングを的確に判断することです。
特に、年数が経過している設備を多く導入している工場では、稼働を止めないための予防保全として、部品を確保できるリバースエンジニアリングの導入が有効なのです。
リバースエンジニアリングは、自社で対応できる場合もありますが、コストや人手不足などの観点から外注を検討する場合もあるでしょう。リバースエンジニアリングの外注を検討されている企業の方は、ぜひ藤田工業までご依頼ください。
■工場のお悩み事なら藤田工業にお任せください
設備の老朽化対策に向け、リバースエンジニアリングによって予備部品を製作したいと考えている企業担当者様は、藤田工業へお任せください。弊社は、千葉県市原市を拠点とし、全国から数多くのリバースエンジニアリングを施工している会社です。
リバースエンジニアリングをご依頼いただく企業様は、部品の劣化による生産性低下や故障に備えたい・図面が見当たらない・設備が古く部品が生産されていない・エンジニアリング会社が廃業したため部品を作った会社が分からないなど、さまざまな事情で弊社へご連絡いただいております。これらの状況は、全てリバースエンジニアリングで対応可能です。工場設備のレイアウト変更で生産性を向上させたい・部品が見当たらない設備を改修・補修・修繕したいなど、企業様のご要望を弊社までぜひご相談ください。
また弊社では、工場の安全対策工事や付帯工事の問合せも多くいただいております。例えば脚立での昇り降りによる事故を防止するため、昇降設備がない箇所に、はしご・安全柵・フェンスなどの設置をご提案・施工いたします。
藤田工業は、粉体設備の工場・プラント配管の設計を主に手掛けている会社です。大手企業様から設計依頼や問い合わせを多数いただいており、技術力と実績を兼ね備えております。
見積から製作まで一貫対応することで、お客様に寄り添った柔軟なご提案や対応が可能です。工場の特性や業種に行ったプラント配管が必要となるため、安全性やコスト、業務の効率性なども全て考慮しながら設計いたします。
リバースエンジニアリングのご依頼も多数いただき、20年以上の実績を誇っております。リバースエンジニアリングにより、老朽化対策に向けた部品の確保をしたいと考えている企業担当者様は、ぜひ藤田工業までご相談ください。皆様からのお問い合わせを、社員一同心よりお待ちしております。
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