その機械加工部品、海外調達しかないと思っていませんか?リバースエンジニアリングで国内生産を可能に!

New

皆さん、こんにちは。

千葉県市原市を拠点にリバースエンジニアリングなどを手がける有限会社藤田工業です。


「円安が続く中、海外からの部品調達コストが利益を圧迫している…」

「海外から調達している部品の納期が、また遅れている。これでは生産計画が成り立たない…」


製造業の現場で、このような部品調達の問題は決して他人事ではありません。単なる不便さにとどまらず、生産停止による機会損失や品質低下といった、事業の根幹を揺るがしかねない深刻な経営リスクに直結します。


特に、昨今の国際情勢の不安定化や急激な為替変動により、海外からの部品調達はコスト増・納期の長期化・供給停止といった予測不能なリスクを常に抱えています。


このような、先が読めない時代の課題を解決する強力な一手として、現物さえあれば高精度な部品を国内で復元できる「リバースエンジニアリング」という技術が、今、改めて注目されています。この記事では、その具体的な手法とメリットを徹底解説します。



■その調達、本当に最適?機械加工部品の海外調達に潜む5つのリスク



海外からの部品調達は一見コストメリットがあるように見えますが、その裏には多くの「見えないコスト」や、事業継続を脅かすリスクが潜んでいます。


・円安、国際情勢による「コスト増大リスク」

海外調達における最大の懸念点が、コントロール不能なコストの増大です。為替の変動、特に円安の局面では調達コストが大幅に増加し、見積もり時には100万円だった部品が支払い時には120万円になっている、といった事態も珍しくありません。高騰を続ける海上・航空輸送費も利益を圧迫します。さらに、紛争やパンデミックといった国際情勢はサプライチェーンを寸断させ、物流費用を増大させるだけでなく、海外メーカーの管理コストが上乗せされることで、部品そのものの価値以上に割高になりがちです。


・品質のばらつきと管理の難しさ

コスト以上に深刻なのが、品質の問題です。海外での製作は、現地の技術者の経験や勘に依存するため、製作のたびに寸法のズレや形状の違いが生じるなど、品質が安定しません。また、手作業で寸法検査を行う業者であれば、作業者による測定結果のばらつきや人的ミスが起きやすく、納品された部品が要求精度を満たしていないことも少なくありません。不良品が届けば、その対応にかかる時間とコストは計り知れないものになります。


・予測不能な「納期遅延リスク」

昨今の国際情勢の変化により、海外からの部品調達は「納期通り届けば幸運」と言えるほど、遅延が頻発しています。船便の遅れや通関手続きの煩雑さが、計画を大きく狂わせます。たった一つの部品の納期遅れが生産スケジュール全体を停止させ、顧客からの信頼を失う原因となり、最悪の場合、生産ラインが数週間止まってしまうリスクすらあるのです。


・言語、文化の壁による「コミュニケーションロス」

海外製の部品は、仕様に関する細かいニュアンスを伝えたり、現在の生産状況を製造元に問い合わせたりすること自体が難しいケースがあります。言語の壁や商習慣の違いがスムーズなコミュニケーションを阻害し、思わぬ仕様誤解やトラブルの原因となることも少なくありません。


・図面がない、廃盤になった部品は対応不可

長年稼働してきた古い設備や海外メーカー製の機械では、交換用部品がすでに廃番になっていたり、メーカー自体が倒産・廃業していたりするケースが多く、代替品の入手は絶望的です。特に海外製の金型などでは、そもそも図面が提供されていない、あるいは紛失してしまったというケースが非常に多く、これが再製作を困難にしている大きな要因です。




■海外調達の代替案!「リバースエンジニアリング」とは?



これら海外調達のあらゆるリスクを根本から解決し、国内での安定供給を可能にするソリューションが「リバースエンジニアリング」です。


リバースエンジニアリングとは、その名の通り、通常の「設計→製造」というプロセスを逆(リバース)から辿る技術です。すでにある製品(現物)を分解・分析し、構造や材質、寸法といった設計情報を明らかにします。この技術を応用し、「現物部品から高精度な図面や3D-CADデータを復元をしたり、部品を復元・再生したりすること」を、私たちは部品調達におけるリバースエンジニアリングと呼んでいます。


そのプロセスは、まずお手元にある部品を、レーザー光を投影する非接触式の高精度3Dスキャナで精密に測定することから始まります。この技術により、複雑な曲面や微細な形状を持つ対象物であっても、人の手や従来の測定器では不可能なミクロン単位の精度で、形状をデジタルデータ(点群データ)として捉えることができます。


次に、取得した膨大なデジタルデータを基に、専用のソフトウェアで設計情報(3D-CADモデル)を再構築します。これは、熟練の職人が長年の経験と勘で行ってきた「現物合わせ」の作業を、最先端のデジタル技術で再現し、誰でも活用可能な「資産」としてデータ化するようなものです。


この復元された正確なデータを基に、国内の高品質な加工技術で同等品、あるいは改良品を製作します。つまり、図面がない、生産が中止された、メーカーが倒産した、といった絶望的な状況でも、現物さえあれば、未来の安定供給を設計し直すことができるのです。摩耗した歯車、割れてしまった樹脂カバー、廃番になった特殊なブラケットなど、あらゆる部品がその対象となります


》リバースエンジニアリングとはどんな技術? メリットや活用シーンをわかりやすく解説


》部品製作を依頼する前に確認すべきことは?納品までの流れと業者選びのポイントを紹介




■海外調達の課題を解決!リバースエンジニアリング活用の4大メリット



リバースエンジニアリングを活用すれば、海外調達のリスクを大きなメリットに変えることができます。


・輸送費・関税ゼロでトータルコストを削減

為替リスクや国際輸送費、関税、メーカーの管理コストといった「見えないコスト」が一切不要になり、適正価格で部品を調達できます。さらに、部品が入手できないために必要だった、数千万円にもなる高額な設備全体の更新を回避できるため、企業の投資計画にも計り知れないインパクトを与えます。


・圧倒的な納期短縮で安定供給を実現

海外からの調達に数ヶ月かかっていた納期を、で劇的に短縮可能です。一度データを作成してしまえば、必要な時に必要な数だけ国内で製作できるため、予期せぬ欠品リスクや過剰在庫から解放されます。国際情勢やパンデミックに左右されず、国内で安定した供給ルートを確保できることで生産計画が立てやすくなり、事業の継続性が飛躍的に高まります。


・高精度な測定と国内生産による確かな品質

最新の高精度3Dスキャナは、人間の目では捉えきれない複雑な曲面や微細な形状まで、ミクロン単位の精度で正確にデジタルデータ化します。そして、測定した正確なデータをもとに品質管理の行き届いた国内工場で製造するため、品質のばらつきがありません。常に要求仕様を満たした、高品質な部品を安定的にお届けできます。


・図面なし、廃盤部品の復刻、改良が可能

「図面がない」「生産中止・廃盤になった」「メーカーが倒産・廃業した」といった、あらゆる理由で入手困難になった部品でも、現物さえあれば復元可能です。諦めていた設備の延命を実現します。リバースエンジニアリングの真価は単なる復元にとどまらず、材質や設計を見直し、もともとの純正部品よりも耐久性や耐摩耗性を向上させることも可能です。摩耗しやすい樹脂部品を金属製に変更するなど、お客様の運用状況に合わせた最適な「改良」提案を行います。


リバースエンジニアリングでお客様の課題を解決した具体的な事例については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。


》製造業におけるリバースエンジニアリングの事例を紹介!活用事例やメリットを徹底解説




■まとめ



機械加工部品の海外調達は、円安や国際情勢によるコスト増、予測不能な納期遅延、そして部品の生産中止といった多くの「見えないリスク」を抱えています。これらの課題を解決する最も有効な選択肢が「リバースエンジニアリング」です。


リバースエンジニアリングは、現物から図面を復元し、国内で部品を製作することで、コストを削減し、納期を短縮して安定供給を実現します。さらに、入手不能な部品を復元できるだけでなく、材質変更などによって耐久性を向上させる「改良」も可能です。


不測の事態に備え、信頼できる専門業者と連携しておくことが、これからの時代の事業継続の鍵となります。




■部品調達をご検討中ならリバースエンジニアリングを行う藤田工業にお任せください!



千葉県市原市を拠点に、全国でリバースエンジニアリングやプラント配管工事を手掛ける藤田工業は、「図面がない」「生産終了している」「メーカーが倒産した」といった、入手困難な部品の調達問題をリバースエンジニアリングで解決するプロフェッショナル集団です。


ご相談・お見積もりから、3D測定、設計、製作、納品まで一貫して対応するワンストップ体制でお客様の手間を煩わせません。私たちは単に部品を復元するだけでなく、お客様の運用状況をヒアリングし、耐久性向上やコストダウンに繋がる最適な改善策をご提案する「現場に根差した提案力」を強みとしています。


大手企業様からの複雑なご依頼も多数いただく一方、「こんな小さな部品一つでも大丈夫だろうか」というご心配にも真摯に対応し、日本全国でも対応可能です。


「もう手に入らない」と諦めていたその部品、ぜひ一度、藤田工業にご相談ください。貴社の課題解決を全力でサポートします。


▼関連記事▼

》リバースエンジニアリングを依頼する際の企業の選び方とは?事前に確認すべきポイントと注意点を紹介


》現物から図面化する方法とは?図面起こしに最適なリバースエンジニアリングの事例を紹介


》設備更新の考え方とは? 更新をするメリットや適切な時期、注意点を紹介!


》工場の生産効率アップ!設備の部品交換をしておくべき理由とメリットとは


》工場のコスト削減に効果的なアイデアは何がある?コストダウンのポイントや事例を紹介