設備更新の考え方とは? 更新をするメリットや適切な時期、注意点を紹介!  

皆さん、こんにちは。千葉県市原市を拠点に、全国でリバースエンジニアリングやプラントの配管工事一式を手掛けている藤田工業です。


製造業の工場・プラントでは、数多くの設備が使われています。設備は使用しているうちに劣化・摩耗し、性能自体も最新型と比べて見劣りするようになるため、いずれは「設備更新」を行う必要があります。


とはいえ、「まだ使えるから」と設備更新をためらってしまったり、設備更新の時期がわからなかったりするケースも多いでしょう。そこで今回は、設備更新のメリットやタイミングの目安、実施する際の注意点について解説します。




■設備更新とは?



設備更新とは、工場やプラントにある設備を新しいものに交換し、性能向上や経年劣化対策を行うことを指します。全体ではなく、設備の一部のみを交換することも設備更新に含まれます。


どれだけ耐久性に優れる設備でも、使用による摩耗や経年劣化を避けることはできません。定期的なメンテナンスを確実に行ったとしても、劣化を遅らせるのが限界です。


そして、老朽化した設備をいつまでも使い続けていれば、生産性の低下や品質低下、不良品の増加、設備の故障や労働災害といったトラブルにつながるリスクがあります。こういったトラブルを防ぎ、設備を安定して稼働させるためにも、設備更新を適切に実施しなければならないのです。


ところで、設備の機能維持や経年劣化対策の方法としては、設備更新の他に「修繕」や「改修」があります。これらは何が違うのでしょうか?


まず設備更新とは、前述したように設備を新しいものに交換することです。これに対し修繕は、劣化・破損した箇所を直して、既存設備の性能を元の水準に戻すことを指します。あくまでもマイナスをゼロに戻すだけなので、設置当初以上の性能にはなりません。


そして改修とは、既存設備に新機能を搭載したり新技術を取り入れたりして、設備のアップグレードを行うことを指します。性能は向上しますが、使用するのはあくまでも既存の設備です。


これらのうちどの方法が適切なのかは、状況によって変わってきます。予算はもちろん、既存設備の状態や受注の見通しなども考慮して決めるべきでしょう。修繕や改修の方が設備更新より安く済むケースは多いのですが、次項で解説するように設備更新には多くのメリットがあるため、長期的な視点で判断することが大切です。




■設備更新をするメリット



設備更新にはそれなりの費用がかかるため、どうしても先延ばしにしがちです。しかし、設備更新を適切に行えば、費用を上回るメリットが得られます。主なメリットは以下の2つです。



・生産性向上が見込める

設備更新を行うと、工場の生産性向上が期待できます。なぜなら、老朽化した設備は設置当初に比べて性能が低下し、歩留まり率や動作スピードが低下しているのに加え、トラブルの発生頻度が高くなっているからです。新しい設備に交換すれば、結果として生産性がアップします。


また、設置当初は最新型だった設備でも、年月が経過すれば時代遅れの設備になり、性能面で見劣りするようになるでしょう。設備更新によって最新型の設備に交換すれば、設備の性能が大幅にアップし、生産性の向上につながります。



・コスト削減につながる

設備更新は、工場のコスト削減にもつながります。老朽化し性能が低下した設備は、エネルギー効率の悪化や不良品の発生率の増加によって、生産にかかるコストが設置当初よりも増えているケースが多いからです。


また、不具合が発生しやすくなっているのでその修理やメンテナンスのためのコストも余分にかかってしまいます。新しい設備に更新すればこういった問題が改善され、結果としてコストが削減されるのです。さらに、最新型の設備は省エネ性能がアップしていることが多く、よりローコストで生産できるようになります。



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■設備更新のタイミングは何を指標に決めればいいの?



設備更新の重要性を理解していても、更新のタイミングがわからず実施できていないというケースは多いと思われます。更新のタイミングの指標としては、主に以下の3つが挙げられますので、これらを参考に計画を立てるといいでしょう。



・設備の耐用年数

最もわかりやすい指標は、設備の耐用年数(寿命)です。耐用年数を超えた設備は故障する可能性が大きく高まるので、その前に更新すればトラブルを防ぐことができます。


なお、耐用年数には「法定耐用年数」と「実用耐用年数」があります。法定耐用年数はJIS規格に基づく、設備の減価償却のための指標です。そのため、実際の設備の寿命とは必ずしも一致しないのですが、「通常の条件で使用した場合はこのくらい持つだろう」という数値なので、ある程度の目安にはなります。


一方、実用耐用年数とは、その設備の物理的な寿命を示すものです。多くの場合は法定耐用年数より少し長いのですが、実際どの程度なのかはメーカーによって異なります。わからない場合は、メーカーやメンテナンス業者に問い合わせてみるといいでしょう。



・設備の総運転時間

設備の総運転時間、つまり今までどのくらいの時間使用したのかも、耐用年数と並ぶ重要な指標です。同じ設備でも、毎日長時間稼働させているのと数日おきにしか稼働させないのとでは、実際の損耗の度合いが大きく変わってきます。どの程度の時間の運転に耐えられるのかもメーカーで定めていることが多いので、事前に確認し参考にしてください。



・故障率

特に注意が必要な指標が故障率です。設備が頻繁に不具合を起こすようになり、故障率が高まっているのであれば、寿命が近いかすでに過ぎていることを示しています。より大きなトラブルにつながる前に、設備更新を実施するのがおすすめです。




■設備更新をする際の注意点



設備更新をする時は、ただ新しい設備に入れ替えればいいというわけではありません。よく考えずに入れ替えればトラブルにつながることもありますし、状況次第では元の設備を使い続けた方がいい場合もあります。そこで、設備更新を検討する際は、以下の2つの点に注意しておきましょう。



・対象設備が保証期間内か確認する

設備がメーカーの保証期間内なのであれば、経年劣化が目立ってきたり不具合を起こしたりした時に、部品交換やメンテナンスといったサポートを受けられる可能性があります。サポートの内容次第では、設備をわざわざ新しいものに更新しなくてもいいかもしれません。


そのため、更新を検討している設備が保証期間内なのか、そして保証の内容がどういったものなのかを事前に確認するのがおすすめです。保証が切れている(もしくはメーカーが廃業している)か、サポートの内容が不十分なのであれば、改めて設備の更新を検討しましょう。



・入手困難な部品の在庫や納期を確認する

設備によっては、すでに製造終了している部品や入手困難な部品を使用しているケースがあります。このような設備を使い続けているとメンテナンスに支障を来たし、設備が故障した時に修理不能になる可能性もあるため注意が必要です。


そのため、設備更新の時期を判断したい時は、入手困難な部品の在庫や納期を確認しておくといいでしょう。もし重要な部品の入手が難しくなっているなら、部品の入手が容易な設備に更新すると、以降のメンテナンスの負担やトラブルのリスクを減らすことができます。


もちろん、更新先の設備についても同じことがいえます。最新型の設備の修理用部品が入手困難、などということはまずないと思われますが、中古の設備であれば入手困難になっていても不思議ではありません。購入する前に確認しておくのがおすすめです。


その一方で、リバースエンジニアリングによって部品を入手するという方法もあります。純正品の購入が難しくても、同じものをリバースエンジニアリングで確保できるのであれば、設備を更新しなくてもよくなるかもしれません。ぜひ一度、リバースエンジニアリングの専門業者に問い合わせてみてください。


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■まとめ



設備更新を行えば、生産性向上やコスト削減といった大きなメリットが得られます。老朽化した設備を無理に使い続けても、トラブルのリスクが高まる一方なので、タイミングを見極めて設備を更新するのがおすすめです。まずは専門業者に相談し、更新のタイミングや更新後のメンテナンスについて十分に検討するといいでしょう。




■設備更新や部品交換をお考えなら、リバースエンジニアリングに強い藤田工業にお任せください!



藤田工業では、主に粉体設備のプラント配管設計を手掛けており、現在はリバースエンジニアリングによる予備部品の製作にも力を入れています。「図面がない」「すでに生産終了している」「メーカーが倒産した」「そもそもどこが作ったのかわからない」といった場合でも、リバースエンジニアリングを用いれば図面の作成や部品の複製が可能です。


弊社は3Dスキャナによる部品の寸法検査も行っており、大手企業からの設計依頼や問い合わせがある技術力を有しています。どのようなご依頼も全国対応可能で、見積もりから製作まで一貫して手掛け、柔軟に対応できるのが強みです。


常にお客様に寄り添った提案を行い、小さな部品1つでも喜んで製作いたします。「故障に備えて部品を確保したい」「老朽化した設備を補修して生産性を上げたい」といったお悩み・ご要望がある時は、藤田工業までお気軽にご相談ください。


また、工場の補修工事や付帯工事にも対応しております。昇降設備がない場所へのはしご・安全柵・フェンスの設置など、現場の状況に合わせた最適な施工が可能です。工場の安全対策や生産性向上のために、設備の更新・改修・補修・修繕・レイアウト変更などをご検討の際は、ぜひご連絡ください。



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