部品のコストダウンはどうすれば実現できる? コストダウンの方法やポイントを詳しく解説!

皆さん、こんにちは。千葉県市原市を拠点に、全国でリバースエンジニアリングやプラントの配管工事一式を手掛けている藤田工業です。


物価高騰が続く昨今では、どのような企業でもコストダウンが重要な課題となっています。製造業の工場においても、いろいろなコストダウンの方法が考えられますが、その1つが「部品のコストダウン」です。


製品の品質にも関わる問題なので安易に実行はできませんが、適切に行えば大きなコストダウン効果が得られます。


ここでは、部品のコストダウンのポイントや方法について詳しく解説します。




■コストダウンの目的・重要性



最初に、そもそもなぜコストダウンが必要なのかを確認しておきましょう。製造業におけるコストダウンの主な目的としては、以下の2つが挙げられます。



・生産性の向上

コストダウンは、工場の生産性と強い関係があります。なぜならコストを削減できれば、売上が同じでも利益がより大きくなるからです。


といっても、コストダウンの結果として製品の質が大きく低下したり、生産量が大きく減少したりすれば、生産性は変わらないどころか低下することもあります。製品の品質や生産量を維持する、もしくは許容範囲内での低下に抑えた上で、コストダウンを実現することが重要です。工夫次第では、コストを削減しつつ製品の質を高めることもできます。



・経営の安定化

製造業は広範で複雑なサプライチェーンの中にあるため、原材料の調達コストやエネルギーコストにおいて、社会情勢の影響を受けやすい性質があります。直近でいうと、新型コロナウイルスの流行やロシアのウクライナ侵攻、そして急激に進んだ円安などは、各種コストの増大を引き起こし、製造業の経営に大きな影響を与えました。


今後も物価高や電気料金の高騰が続くと考えられる以上、製造業にとってコストダウンは重要な課題といえるでしょう。経営を安定化するためには、たとえ業績が好調であっても、継続的なコストダウンに取り組むべきなのです。




■部品のコストダウンの方法



一口に部品のコストダウンといっても、実にさまざまな方法があります。まずは、比較的実施しやすい基本的な方法を確認しておきましょう。



・材料変更によるコストダウン

最もイメージしやすいコストダウンの方法は、部品の材料の変更でしょう。使用する材料をより安価なものに変更すれば、とても直接的なコストダウンになります。部品の材料は、とにかく高級なものであればいいというわけではありません。必要以上に高価で高品質な材料を使っている可能性があるなら、適切なグレードの素材への変更を検討しましょう。


また、部品のサイズに対して過度に大きい材料を使用していれば、当然ながら加工の際の無駄が大きくなり、結果として高コストになってしまいます。無駄を削減するためには、可能な限り完成品のサイズに近い大きさ・形状の材料を使うのが基本です。部品の発注先がこのような工夫をしているかどうかも確認してみてください。



・リバースエンジニアリングによるコストダウン

機械の構造や部品を解析・分析して再生する「リバースエンジニアリング」も、部品のコストダウンに活用できます。たとえば、メーカーの純正部品は価格が高いことが少なくありません。しかし、リバースエンジニアリングで部品を複製して置き換えれば、コストを削減できる可能性があります。


また、上述した材料の変更にも、リバースエンジニアリングを活用することが可能です。「もっと安い素材の部品で構わないのに、ちょうどいい部品を作っているメーカーがない」という時は、設計はそのままに材料のグレードを落とした部品を作ることができます。


さらに、メーカーの倒産などによって部品を入手できなくなってしまったので、やむをえず高価な部品で代用しているケースもあるでしょう。このような場合もリバースエンジニアリングを使えば、入手不能になった部品を大量に複製して確保し、コストを削減できる可能性があります。


詳しくは以下の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。


》工場のコスト削減に役立つ「リバースエンジニアリング」とは?


》機械の部品の生産中止でお困りの方必見! リバースエンジニアリングでの対策がおすすめです


》リバースエンジニアリングでコスト削減?機械加工におけるコストダウンの方法を紹介




・作業工程のコストダウン

部品の価格は、材料や加工の内容だけで決まるわけではありません。寸法検査や品質検査など、出荷までに行うあらゆる工程のコストが価格に反映されているからです。つまり、こういった作業工程の効率化を行い、コストを削減できている企業に部品を発注すると、より安価に部品を入手できる可能性があります。


作業コストの削減方法の一例としては、3Dスキャナによる寸法検査の自動化が挙げられます。3Dスキャナを活用すれば、非常にスピーディーかつ高精度な全数検査が可能です。3Dスキャナによる寸法検査を導入しているかどうかが、部品の発注先選びにおける1つの基準となるでしょう。


もちろん、自社で生産する製品の検査にも3Dスキャナを活用できます。詳しくは以下の記事で解説しておりますので、ぜひご覧ください。


》寸法検査を自動化するメリットとは?従来検査の問題点や3Dスキャナがおすすめな理由を紹介




■さらに部品のコストダウンを図るためのポイント



より踏み込んだコストダウンの方法としては、部品の精度や数の変更が挙げられます。つまり、部品や機械を設計から見直すことで、コストダウンを図るという考え方です。以下を参考に、コストを削減できる箇所がないか確認してみてください。



・精度は適切なレベルにする

加工の精度は、部品の品質に大きな影響を与えます。しかし、材料のグレードと同じく、加工の精度も高ければいいというわけではありません。


なぜなら、加工の精度を高めようとすると、加工速度の低下・加工時間の増加・仕上げ工程や仕上げ工具の追加・寸法確認の増加などが生じます。その結果、人的コスト・設備使用コスト・工具コスト・光熱費といったコストが、どうしても高くなってしまうからです。


そのため、加工の精度は無意味に高くするのではなく、適切なレベルにする必要があります。同じ部品の中でも、わずかな誤差も許されない場所は高精度にする一方、そうでない場所は精度を抑えて加工することがコストダウンのポイントです。場合によっては、特定の加工工程そのものを省略してもいいでしょう。



・部品数を抑える

部品の精度の調整からさらに進んで、部品の数そのものを減らすことによってコストを削減するという方法もあります。部品の数が少なくなれば、部品の制作・購入や組立、メンテナンスなどにかかる費用も減るため、コストダウンに直結します。また、組立ミスの減少や製造時間の短縮につながるのも大きなメリットです。


「部品の数を減らすなんて、そう簡単にはいかないのでは?」と思うかもしれませんが、実現可能なケースは意外と少なくありません。たとえば、部品の固定方法をネジからツメに変更するだけでも、必要なネジの本数やネジ止めの手間を減らすことができます。部品1つ1つについて、本当に必要なのか細かくチェックしてみるといいでしょう。



・効果を検証する

部品のコストダウンを図る上で忘れてはならないのが、対策の実施前後の効果を測定して評価することです。ここまでご紹介してきた方法はうまくいけばコストダウンを実現でき、なおかつ製品の品質も要求ラインをクリアできるでしょう。


しかしながら、コストダウン策を実施した結果、製品の品質が予想以上に低下し、要求ラインを下回ってしまう可能性もあります。検討の段階では「このくらい部品の精度を落としても大丈夫だろう」と思っていたのに、実際に作って組み込んでみたら品質不良レベルになった……というケースもないわけではありません。


場合によっては、部品のコストダウン施策が他の部分に影響を与え、かえって総合的なコストが増大してしまうこともあります。このようなトラブルを防ぐためにも、部品のコストダウンを図りたい時は、綿密な設計と効果の検証が必要不可欠なのです。部品や設備のメーカーと十分に打ち合わせを行い、最適な方法を探りましょう。




■まとめ



工場のコストダウンが実現すれば、生産性の向上や経営の安定化といった大きなメリットが得られます。部品のコストダウンは、その最も有効な手段の1つです。


材料の変更や精度の見直し、そしてリバースエンジニアリングの活用など、部品のコストダウンにもさまざまな方法が考えられます。


最適な方法でコストダウンを図るためにも、まずは部品製作の専門業者に相談してみましょう。




■部品製作をお考えならリバースエンジニアリングに強い藤田工業にお任せください!



藤田工業では、主に粉体設備のプラント配管設計を手掛けており、現在はリバースエンジニアリングによる予備部品の製作にも力を入れています。


「図面がない」「すでに生産終了している」「メーカーが倒産した」「そもそもどこが作ったのかわからない」といった場合でも、リバースエンジニアリングを用いれば図面の作成や部品の複製が可能です。


弊社は3Dスキャナによる部品の寸法検査も行っており、大手企業からの設計依頼や問い合わせがある技術力を有しています。どのようなご依頼も全国対応可能で、見積もりから製作まで一貫して手掛け、柔軟に対応できるのが強みです。


また、工場の補修工事や付帯工事にも対応しております。昇降設備がない場所へのはしご・安全柵・フェンスの設置など、現場の状況に合わせた最適な施工が可能です。工場の安全対策や生産性向上のために、設備の更新・改修・補修・修繕・レイアウト変更などをご検討の際は、ぜひご連絡ください。


常にお客様に寄り添った提案を行い、小さな部品1つでも喜んで製作いたします。「部品のコストダウンを図りたい」「故障に備えて部品を確保したい」「老朽化した設備を補修して生産性を上げたい」といったお悩み・ご要望がある時は、藤田工業までお気軽にご相談ください。



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